2019年の展示室の様子です。
2019年の展示室の様子です。
太田丈夫ワークショップ
2019年5月「創作ブンブンゴマ」
作家が設定した白いテーブルで来場者に課題を即興的に投げかけて、地元のご家族、数組にに参加していただきました。
申し込みがあった方々ではないので、記録する余裕もありませんでしたが、その場限りの、個人と個人の美術・芸術を通した出会いの場として構成された、あくまで「交流テーブル」という作品の一部としてのワークショップです。
人が絵を描く理由の一つが、日常からの精神の解放であるとするならば、すべてが利き腕ではない左手で描かれたこれらの作品では、自身の意志と画面に表された結果のずれが、線の力をより強く、熱くささせているのではなかろうか。ここで描かれた無数の線と色彩は、作者の存在そのものを表している。
樹木が空間を占める光景と出会うとき、枝葉の隙間からのぞく背景の断片がことさら美しく見えることがある。
水鏡をモチーフとし、「うつるけしき」と題された作品では、植物と背景は反転して互いの存在を際立たせるように表され、
自然の風景の新たな姿を垣間見せてくれる。
地下の巨大神殿にもたとえられる大谷石の地下採掘場跡。
その空気、温湿度、闇とおぼろげな光など、この特異な場の
在り方を表そうとして近年制作を続けてきたという作品群
を前にするとき、
作者がそこで感じ取ったであろう、空間に対する畏怖や美し
さの一端に触れることができるのである。
廃材によって構成されたものに彩色してつくられる、直立する人の姿をかたどった作品は、それぞれ何かの思考や気持ちを内に宿しているように見える。
彼らが立ち並ぶ空間と向かい合うとき、それぞれの「人物」との刹那の関わりの中で、私たちも、ある感情を想起させられるのである。
特殊なメディウムとアクリル塗料で、美しい多色の色彩が激しくうねるように画面をつくるAcrylic pouring Fluid artの世界。
そこには、日常では目にすることができない豊かな美が描き出されている。それは、私たちの心の奥底にあるさまざまな記憶や感情がもとになった、絶対的な美の姿なのかもしれない。